クリニックのホームページで、患者さんが必ず見るページがあります。院長紹介です。どんな治療をするかと同じくらい、誰に診てもらうのかを見ています。そのページに載る1枚が、来院するかどうかを分けることは珍しくありません。
この記事では、医師・院長のプロフィール写真を撮る前に決めておきたいことを整理します。これから撮影を予定されている先生、医院のホームページを担当されている事務長の方、クリニックサイトを制作されている方に向けて書いています。
プロフィール写真は「1枚」ではなく「一式」で考える
いちばん多いもったいない例が、1パターンだけ撮って終わることです。ホームページの院長挨拶に使うつもりで撮った写真が、そのあと次々に別の場面で必要になります。
| 使う場面 | 必要になりやすい形 |
|---|---|
| ホームページの院長挨拶 | 縦位置・上半身・診療着 |
| トップページのバナー、見出しの背景 | 横位置・引き・余白のある構図 |
| Googleビジネスプロフィール、各種ポータルサイト | 正方形・顔が大きめ |
| 求人ページ、採用パンフレット | スタッフと一緒、または柔らかい表情 |
| 地域の広報誌、業界紙、取材対応 | スーツ・きちんとした背景 |
| 講演、セミナーの登壇者紹介 | スーツ・正面・シンプルな背景 |
| 院内掲示、待合のスタッフ紹介 | 印刷に耐える大きさ |
これらを別々の日に撮ると、そのたびに時間を作ることになります。1回の撮影でまとめて押さえておけば、数年は困りません。撮影の依頼をするときは「院長の写真を1枚」ではなく「使う場面をひととおり」で相談してください。
撮影の前に決めておく4つ
1. 服装
診療着とスーツでは、伝わるものが変わります。
- 診療着(白衣・ケーシー・スクラブ):診療する人としての姿。ホームページの院内紹介、診療内容ページに合います
- スーツ:経営者・専門家としての姿。取材、講演、業界紙、地域の広報誌に使われます
両方撮っておくのがおすすめです。着替えの時間は5分程度で、撮影時間はほとんど増えません。あとから「スーツの写真をください」と言われたときに撮り直しにならずに済みます。
服装で1点だけ。撮影の前日に、着るものにアイロンをかけておいてください。写真は布のしわを想像以上に拾います。診療着は洗濯したてのものを用意しておくと安心です。
2. 撮る場所
院内のどこで撮るかで、写真の印象が決まります。
- 診療室・ユニットの前:仕事をしている場所が写るので、何をする人かが伝わります
- 待合室・受付前:明るく開けた印象になりやすい場所です。窓があれば自然光を使えます
- 白い壁・シンプルな背景:どこにでも使い回せます。ポータルサイトや取材用に1枚あると便利です
- 外観・入口前:医院と一緒に写るので、地域の広報向けに向きます
ここでも複数の場所で撮っておくと使い分けができます。移動を含めても、場所を変えるのに数分です。
3. 表情
笑顔がよいか、真顔がよいか。これは使う場面によって答えが変わりますので、どちらか一方に決めないでください。
- やわらかい表情:初診の患者さんが見るページに向きます。「怖くなさそう」は来院の判断に効きます
- 落ち着いた表情:専門的な治療の説明ページ、取材、講演に向きます
どちらも撮っておいて、ページごとに使い分けるのがいちばん無駄がありません。
それから、写真を撮られるのが苦手でも問題ありません。これはよく言われることですが、慣れている人のほうが少数派です。表情は撮影者の側で引き出す部分が大きく、「笑ってください」と言われて笑うのではなく、話しているうちに自然に出たところを撮ります。構えて待つ必要はありません。
笑顔が苦手でも、写真は撮れます
「カメラが苦手なんです」「笑顔を作るのが得意じゃないんです」。撮影の現場でほぼ必ず言われる言葉です。特に男性の先生に多いのですが、得意な方は1人もいません。得意であればモデルの仕事をされているはずで、そういう前提で撮影しています。
基本は会話の中で自然に出た表情を撮りますが、それでも硬くなってしまう場合は顔のどこに力を入れるかを具体的にお伝えします。「目の奥に力を入れて」「目の下のほっぺたの筋肉で口角を持ち上げて」といった指示です。永田フォトの代表けんちろは以前、証明写真のスタジオで1日10〜15人の顔を撮っていた時期があり、そこで身につけた方法です。
ひとつだけ、こちらで対応できない部分があります。普段まったく笑顔を作られない方は、表情筋そのものが動きにくくなっていることがあり、この場合はいくら指示をしても口角が上がりません。撮影の前に、お風呂上がりに鏡の前で口角を上げる練習をしていただけると確実です。
このあたりは笑顔が得意な院長先生は、1人もいませんに詳しく書きました。
4. 縦位置・横位置と、余白
ここは制作側からの要望として出てくる部分です。
- 縦位置:院長挨拶のページで、文章の横に置く形
- 横位置:バナーや見出しの背景。左右どちらかに文字が入るので、その分の余白を空けて撮ります
- 正方形に切れる構図:SNSやポータルサイトで使われます
- 寄りと引き:顔が大きく写ったものと、上半身が入ったもの
ホームページの制作会社が決まっている場合は、先に「どのページに、どんな形で入るか」を聞いておいてください。それが分かっていれば、撮影の場で必要な構図をすべて押さえられます。
よくある「撮り直しになる」パターン
証明写真のようになってしまう
正面を向いて、真顔で、背景が真っ白。履歴書には向いていますが、ホームページの院長紹介には硬すぎます。角度を少しつける、光の向きを変える、背景に奥行きを入れる。それだけで印象が変わります。
背景に余計なものが写っている
撮っているときは気づかず、あとから見ると気になる。書類の山、コード類、掲示物、ゴミ箱。撮影の前に、写る範囲だけでも片付けておくと仕上がりが変わります。
とはいえ全部を先回りして片付ける必要はありません。撮影者が現場で見て、動かすものを指示します。あらかじめ完璧にしておこうとすると、それだけで疲れてしまいます。
スマートフォンで撮った写真をそのまま使う
画面で見る分には十分きれいに見えます。ですが印刷物に使おうとすると解像度が足りなかったり、横位置のバナーに切ろうとすると余白がなかったりします。
院長の写真は、ホームページ以外の場所で使う機会が必ず出てきます。使い回すことを前提にするなら、最初から余裕をもって撮っておくほうが結果的に手間が少なくなります。
撮影にかかる時間の目安
院長のプロフィール写真だけであれば、服装2パターン・場所2〜3か所・縦横それぞれを押さえて、1時間程度が目安です。着替えと移動を含めての時間です。
スタッフの個人写真や集合写真、院内の撮影もあわせて行う場合は、人数と部屋数によって変わります。診療の合間に少しずつ進めるより、休診日や診療時間の前後にまとめたほうが、結果的に短く済みます。
院長のプロフィール写真とあわせて、院内やスタッフの撮影も検討されている方は、クリニック・歯科医院の写真撮影サービスをご覧ください。
開院前であれば、院内やスタッフの写真とまとめて撮ってしまう方法もあります。医療機器が揃った直後が院内をいちばんきれいに残せる時期で、スタッフの写真は院内研修の日に合わせられます。なお内覧会の当日は、装飾や開業祝いのお花で院内が本来の姿ではなくなるため撮影には向きません。
撮った写真は、あとで使い道が増えます
プロフィール写真は、撮った時点では「ホームページ用」でも、そのあと取材、求人、院内掲示、SNSと使う場面が広がります。
そのため、撮影を依頼するときに写真をどこまで使ってよいかを確認しておいてください。撮影会社によっては、著作権を保持したまま用途を限定した許諾を出す形をとります。その場合、あとから別の媒体に使うときに確認や追加費用が必要になります。
永田フォトは、撮影した写真を著作権ごとお渡ししています。使用する媒体・期間・回数に制限は設けていません。使用料もいただいていません。取材の依頼が来たときも、そのままお渡しいただけます。
まとめ
- プロフィール写真は「1枚」ではなく「使う場面をひととおり」で考える
- 服装は診療着とスーツの両方。着替えは5分で、撮影時間はほとんど増えない
- 場所は複数。表情もやわらかいものと落ち着いたものを両方
- 縦・横・正方形と、文字を入れる余白を意識して撮っておく
- 制作会社が決まっているなら、先にページ構成を聞いておく
- 写真を撮られるのが苦手でも大丈夫。表情は撮影者側で引き出します
永田フォトについて
永田フォトは大阪を中心に、歯科医院・クリニックのホームページ用撮影を行っています。「信頼」と「清潔感」が伝わる写真を、院内の雰囲気にあわせて撮影します。診療時間中の撮影では、患者さんが画面に入らないアングルとタイミングで進めます。
基本料金は最初の1時間25,000円、追加1時間ごとに15,000円(交通費・税別)です。時間内の撮影枚数に上限はなく、明るさ・色・傾きなどの基本補正とオンラインでのデータ納品も基本料金に含みます。
サービスの詳細は大阪のクリニック・歯科医院ホームページ写真撮影をご覧ください。撮影内容が固まっていない段階でも、ページ構成をお見せいただければ必要なカットを整理します。

